傾斜地の土地活用方法

傾斜地の土地活用は通常の平坦な土地の活用とは違う検討が必要となります。ひと口に傾斜地といっても、その角度や範囲も違いますし、崖にあたるような傾斜地の場合には、法律の規制も考慮しなければなりません。

例えば南向きに傾斜した土地であれば、日当たりの良い家を作ることが望めます。傾斜が急であれば、一部を半地下にしても良いかもしれません。道路よりも土地の方が高いのであれば、道路の高さに駐車場を作ってその上に家を建てるようにすれば土地を有効に利用しながら基礎部分を使うことができます。

ここでは、傾斜地を利用する時に考えておかなければならない注意点や補助金の制度、おすすめの活用方法についてお知らせします。

1. 傾斜地とは

まず、はじめに傾斜地とはどんなものなのかについて確認をしておきましょう。傾斜地とは、その名の通り傾いた地面のことです。傾斜地の中に崖地も含まれています。

斜面の角度が急なものをがけ地と呼んでいるのですが、実は明確な定義はありません。また、斜面のことを、法地(のりち)とか法面(のりめん)と呼ぶこともあります。

建築基準法には崖(がけ)についての記述はありますが、がけの基準については記載がありません。ただし、地方の条例の中にはがけについて定義をしているものもあります。

例えば、神奈川県の建築基準条例の第2条3項に、がけについてこう配が30度を超える傾斜地という記載があります。

神奈川県建築基準条例等の解説:http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/898802.pdf

このことから、一般的な認識として30度以上の急傾斜の土地をがけと呼ぶのが良いようです。

2. 傾斜地にかかる法的規制

大雨や地震の際に必ずと言って良いほど、報道されるのが、地すべりやがけ崩れのニュースです。がけ地に危険性があることは改めて説明するまでもないと思います。危険な場所を放置することはできないため、法律で規制がかけられています。

一般的にがけ条例といわれるものがそれにあたります。条例という名の通り、建築基準法などと違って各都道府県によって制定されたものとなります。このため、全国統一の内容ではなく、都道府県ごとに微妙な違いがあります。

このため、その土地がある地域の地区条例を確認する必要があります。

例えば、東京都を例にとると、「高さ2mを超えるがけの下端から、がけの高さの2倍以内に建物を建築する場合には、高さ2mを超える擁壁を設けなければならない」となっています。

このため、この基準をクリアしない限り、東京都では建物を建てることができません。お金を掛けて擁壁を作るか、あるいはがけから離れたところに建てるかのどちらかとなります。

どちらを選んでもマイナスになりますが、プランニングによっては、痛手を軽減することも可能です。

例えば、空いたスペースを庭として活用したり、擁壁と建物の基礎を一体化するなどしてコストを抑える方法です。どのような配置や間取りが良いか、専門家に相談して決めると良いと思います。

2-1. 急傾斜地には土砂災害特別警戒区域等の補助金制度がある

急傾斜地のような危険な場所に建っている建物を取り壊す時や新たに建築をする際には、地方公共団体から補助を受けることができます。補助金は、国と地方公共団体とで半分ずつ負担することが多いです。

補助金を受けることができるのは、地方公共団体(各都道府県及び市区町村)が条例で指定した災害危険区域と建築を制限している区域、及び都道府県知事が指定した土砂災害特別警戒区域の3つの要件に当てはまる場合です。

また、工事の内容によって補助金の上限金額が変わります。例えば、危険区域にある建物を解体する場合の上限金額は、一件当たり80万2千円となります。

新築する場合の補助金は、基本的に費用を借り入れた場合の利子に対しての補助となります。このため、銀行などの金融機関から借入れをしない場合は補助金の対象となりません。金利についても、年8.5%までという上限が決められています。

具体的な金額などについては、下記に参考資料のリンクを貼っていますので、そちらでご確認をお願いいたします。

また、新築時に金利にしか補助金が出ないのは、国の制度の場合ですので、各都道府県において別の補助金制度を設けている場合もあります。その土地のある市区町村の窓口で確認をするようにしてください。

国土交通省資料 土砂災害防止法の概要:http://www.mlit.go.jp/river/sabo/dosyahou_review/01/110803_shiryo2.pdf

国土交通省資料 住宅・建築物安全ストック形成事業について:http://www.bousai.go.jp/fusuigai/dosyaworking/pdf/dai2kai/siryo4_2.pdf

3. 傾斜地の土地活用方法

傾斜地にはこのような制約がありますが、傾斜地ならではメリットもあります。そのメリットを生かした土地活用方法について考えてみましょう。傾斜地のメリットは、見晴らしが良いとか日当たりが良いことがあげられます。

北向きの斜面の場合でも、それなりに日当たりが確保できる場合が多いです。南向きの斜面の場合は、文句なく日当たりが良いことが多いでしょう。これらのメリットを生かした土地活用方法として下記の2つが考えられます。

3-1. 傾斜地の太陽光発電

太陽光発電事業を行うには日当たりがとても重要です。言うまでもありませんが、日が当たらなければ発電することはできません。元々傾斜している場所であれば、隣の太陽光パネルの陰にならないように架台を高くする必要がありません。

南向き、北向きや斜面の角度によって条件は変わりますので、一概に言うことはできませんが、効率の良い発電ができると考えて良いと思います。

太陽光発電のメリットは、100%融資による開設が可能なことや融資を使っても初年度から利益をあげられること、概ね設備費用の回収が10年と短期間で可能なことなどがあります。設備費用の回収が終わった後も10年~20年くらいは少ないメンテナンス費用で収益をあげることが見込めます。

太陽光発電については別のページで詳しく説明をしていますので、そちらのページを参考にしてください。田舎の土地活用!野立て太陽光発電の利回りは?:http://tochikatsu.site/solar-yield/

3-2. 傾斜地の眺望を利用して売却する

傾斜地の利用の方法としてもうひとつ有望なのが売ることです。

土地の活用方法として売却をおすすめすると抵抗感を持たれる方がおられますが、売却も立派な土地活用の方法のひとつです。何も活用しないまま放置しているよりも現金に換えた方が運用しやすくなるからです。

一般的に傾斜地は平らな土地に比べて価格が低く、眺望や日当たりが良いことから、傾斜地を好んで探す方がおられます。このような方にマイホーム用の土地として売却すると良いでしょう。

最近では、このような傾斜地を好む建築士もいるようです。色々なアイデアを盛り込むことができるのが魅力のようです。建築を依頼する側にとっても、個性的な家を建てやすいことから、オリジナル感を感じられて満足感が高い住宅となっているようです。

このようなオリジナルにこだわる人に売り込む方法を考えると思ったよりも高く売ることができるかもしれません。

4. 傾斜地の土地活用方法まとめ

傾斜地にはまず絶対にクリアしなければならない法律の規制があります。しかし、法律の規制が掛かっている場所では、補助金を受けられる可能性が高いです。その土地にかかる法律の内容や補助金の内容は、各都道府県や各市町村によって変わります。

最初にどんな規制がかかっているのか確認をするようにしてください。その際に一緒に、どんな補助金の制度があるのかについても確認をするようにしてください。

社会にとっても土地を有効に活用することは大事なことですので、遠慮なく補助金を使うようにすると良いでしょう。

土地の活用の方法に関しては、傾斜地ならではの眺望や日当たりをメインにして考えると良いと思います。ここでは、太陽光発電と売却をお知らせしましたが、それ以外にも活用の方法はたくさんあると思います。

あなたの土地にしかできない活用の方法があるかもしれません。立地なども踏まえて検討していただければと思います。