外壁リフォームの時期と方法

外壁は、屋根とともに風雨や雪、直射日光から住宅を守っているため、とても重要です。そのため屋内とくらべると劣化が激しいため、定期的なリフォームが欠かせません。

外壁リフォームは、住宅に使われている外壁材や塗料の種類により異なりますが、5~10年を目安に行うのが理想です。こちらでは、外壁リフォームを行うべき時期と種類、主な外壁材について説明致します。

住宅の中でも劣化の激しい外壁リフォームを定期的に行うことにより、住宅の住宅の寿命を伸ばすことができます。ですから、ぜひ参考にしていただけたらと思います。


1. 火災保険を活用できることがある

まず始めに、外壁リフォームでは火災保険の風災補償を活用できる場合があります。住宅の火災保険は、火災だけでなく雪害や風災による被害も補償対象となっていることが多くあります。

補償対象となる風災とは、具体的には台風や暴風雨、竜巻、強風、突風を指します。つまり、日常的に起こる強風や突風により外壁が被害を受けても、火災保険が適用されて保険金を受け取ることができる可能性があるのです。

ただし、自然に経年劣化したり、当初の塗装技術が原因(手抜きや技術不足)だったりする被害は、火災保険の対象となりません。また、外壁は屋根と合わせてリフォームすることにより、費用を抑えることができます。

そのため、屋根と外壁を合わせてリフォームを検討するのが一般的です。ですから、外壁リフォームでは火災保険を受け取ることができないか、保険会社に確認してみましょう。

2. 外壁リフォームをすべき時期

冒頭でも書いたとおり、外壁リフォームを行うべき時期は、新築や前回リフォームの5~10年後が1つの目安です。なぜなら、多くの住宅では外壁の防水性能が5~10年で切れてしまうからです。

現在の多くの住宅は、外壁材にモルタルやサイディングを使用しています。

しかし、これらの外壁材は防水性能が低いため、表面に塗装を行っています。この塗装に使用している塗料の耐用年数が5~10年なのです。

塗装の耐用年数が切れると、外壁材に雨が染み込み劣化が早くなります。結果として住宅の寿命を縮めてしまうことにつながります。

住宅を少しでも長持ちさせ、長期的に見てリフォーム費用を抑えるためにも、外壁リフォームを行うべき時期を知っておきましょう。

2-1. 塗料の耐用年数を目安にする

外壁リフォームを行うべき時期の1つ目は、上記でも説明したとおり、塗料の耐用年数です。上記ではと塗料の耐用年数は5~10年と大まかに説明しましたが、塗料の種類によって異なります。

塗料は大きく8種類に分けることができ、耐用年数は概ね以下の表のとおりです。

塗料の種類 耐用年数 塗料の特徴
アクリル系 4~7年
  • 価格が安いのが特徴
  • 耐久性が低く、汚れやすいという欠点があるため、現在ではあまり使用されない
ウレタン系 6~10年
  • 耐久性と価格のバランスがよい
シリコン系 8~15年
  • 耐久性と価格のバランスがよい
  • 外壁や屋根の塗り替えでもっとも多く使用される
  • 耐久性だけでなく、汚れや色落ち、カビ、藻に強いのが特徴
ラジカル系 8~15年
  • 2015年に発売された新しい塗料
  • 耐久性と価格のバランスがよい
光触媒塗料 10~15年
  • 雨や日光で外壁をきれいにする効果があるのが特徴
  • 塗装工事費用が高いのが欠点
ピュアアクリル 12~15年
  • 防水性に特に優れている
  • 価格が高いのが欠点
  • 感想しにくいため、工期が長くなる恐れがある
フッ素系 15~20年
  • 汚れに強く光沢感があるのが特徴
  • 主にビルで利用されるが、住宅でも使われている
  • 価格が高いのが欠点
遮熱系 15~20年 熱を反射するため、省エネ効果がある

自治体がによっては補助金制度がある

塗料の種類
耐用年数
塗料の特徴

アクリル系
4~7年
・価格が安いのが特徴
・耐久性が低く、汚れやすいという欠点があるため、現在ではあまり使用されない

ウレタン系
6~10年
・耐久性と価格のバランスがよい

シリコン系
8~15年
・耐久性と価格のバランスがよい
・外壁や屋根の塗り替えでもっとも多く使用される
・耐久性だけでなく、汚れや色落ち、カビ、藻に強いのが特徴

ラジカル系
8~15年
・2015年に発売された新しい塗料
・耐久性と価格のバランスがよい

光触媒塗料
10~15年
・雨や日光で外壁をきれいにする効果があるのが特徴
・塗装工事費用が高いのが欠点

ピュアアクリル
12~15年
・防水性に特に優れている
・価格が高いのが欠点
・感想しにくいため、工期が長くなる恐れがある

フッ素系
15~20年
・汚れに強く光沢感があるのが特徴
・主にビルで利用されるが、住宅でも使われている
・価格が高いのが欠点

遮熱系
15~20年
・熱を反射するため、省エネ効果がある
・自治体がによっては補助金制度がある

上記のとおり、アクリル系塗料がもっとも耐用年数が短く、フッ素系塗料や遮熱系塗料がもっとも長くなっています。なお、耐用年数と塗料の価格は概ね比例します。

主流となっているのは、シリコン系塗料です。主流である理由として、10年という適度な耐久性と価格とのバランスがもっともよいが挙げられます。

外壁の塗料の効果がなくなると、外壁は風雨や直射日光による劣化が激しくなってしまいます。ですから、塗料の効果が切れるまでに外壁リフォームを検討しましょう。

塗料の効果が切れると、外壁に触ると手が白くなったり、外壁にカビが生えたりします。このような症状が現れる前にリフォームを行うのが理想です。

2-2. 外壁にヒビや色あせがある

外壁リフォームを行うべき時期の2つ目は、ヒビや色あせです。上記で、塗料の効果が切れると、外壁の劣化が激しくなると説明しました。このような塗料の効果がない状態を放置すると、外壁に色あせが見られるようになります。

色あせがひどくなると、塗料の塗り替えではなく外壁材そのものを交換しなければならないこともあります。
また、モルタルのような外壁材では、劣化するとヒビが入ります。ヒビは小さければ部分的に補修できますが、放置すればどんどん大きくなり、外壁全体を塗り替えなくてはならなくなります。

このように外壁のヒビや色あせを放置すればするほどリフォーム費用がかかってしまうため、すぐに外壁リフォームを検討するようにしましょう。

3. 外壁リフォームの種類

ここまで、外壁リフォームを行う時期として塗料の耐用年数を目安にすべきだと説明しました。また、外壁にヒビや色あせが見られた場合、すぐに対応することが理想です。

具体的な外壁リフォームの種類として、塗装と重ね張り、張替え・塗り壁という3つがあります。以下では、これら3種類の外壁リフォームの種類について説明します。

3-1. 外壁塗装

外壁リフォームの1種類目は、外壁塗装です。上記で説明したとおり、外壁の塗料は耐用年数をすぎると効果がなくなってしまいます。ですから、塗料の効果がなくなるまでに新しく塗装を行うのです。

外壁塗装を行うことにより、外壁の風雨や直射日光などによる劣化を抑えることができます。外壁塗装で使用する塗料は、上記で説明したとおり以下の8種類です。

  • アクリル系
  • ウレタン系
  • シリコン系
  • ラジカル系
  • 光触媒塗料
  • ピュアアクリル
  • フッ素系
  • 遮熱系

塗料の耐用年数は価格と比例しますが、この2つのバランスがもっともよく主流となっているのがシリコン系塗料です。フッ素系や遮熱系の塗料を使用すれば、高価である代わりに長期間効果が得られます。

しかし、外壁リフォームでこのような塗料を使用するときは、外壁材との関連性に注意しなければなりません。外壁材も塗装で保護されているとはいえ、経年による劣化は進みます。そのため、いつかは外壁材そのもののリフォームを行う必要があります。

ですから、外壁材よりも長持ちする塗料を使用すると、無駄な出費になってしまうのです。なお、外壁材については以下で詳しく説明します。このように、現在の外壁材に新しく塗装を行うリフォームが、外壁塗装です。

3-2. 重ね張り

外壁リフォームの2種類目は、重ね張りです。上記で説明したとおり、外壁材は塗装されているとはいえ、年々劣化します。そのため、劣化が進むと外壁塗装を行っても効果が得られなくなります。

そのような場合には、現在の外壁の上に新しい外壁材を張ることができます。なお、重ね張りの施工方法のことをカバー工法とも呼びます。

重ね張りは、サイディングと呼ばれる色や柄のついた外壁材を使用します。また、住宅の重量が増すため、重ね張りでは通常のサイディングよりも軽量のものを使用します。

住宅の重量が増すと、地震で揺れる幅が大きくなり、大地震で倒壊する危険性が高くなります。このような危険性を減らすため、軽量のサイディングを使用するわけです。

重ね張りの特徴として、既存の外壁の処理費用を抑えることができ、張替えとくらべると工期が短くなることです。また、重ね張りの際に断熱材を入れることにより、同時に断熱リフォームを行うこともできます。

一方で重ね張りの欠点は、地震による被害の危険性が上がってしまうことです。いくら軽量のサイディングを使用するとはいえ、住宅の重量が増すことには変わりありません。

また、既存の外壁があまりに老朽化していると、重ね張りはできません。住宅を支える既存の外壁に十分な耐久性がなければ、やはり地震による倒壊の危険性が増します。

しかし、重ね張りは外壁の張替えとくらべて少ない費用で行うことができます。張替えに使用するサイディングにはさまざまな色や柄のものが用意されているため、住宅の外観を大きく変えることができます。

3-3. 張替え・塗り壁

外壁リフォームの3種類目は、張替えや塗り壁です。既存の外壁を剥がし、新たな外壁材に張り替えたり、壁を塗ったりします。

張替えや塗り壁の特徴は、既存の外壁を剥がすことにより住宅の土台や柱、断熱材の状況が確認でき、必要なら補修が行えることです。また、外壁リフォームと合わせて本格的な耐震リフォームや断熱リフォームを行うこともできます。

さらには、既存の住宅とは別の外壁材に変更することもできます。たとえば、モルタルからタイル、サイディングからモルタルといった具合にリフォームすることができるのです。

上記で説明した重ね張りはサイディングしか使用できないことを考えると、張替えや塗り壁では自由度の高い外壁リフォームが可能となります。

一方で、既存の外壁の撤去や廃材の処分を行う必要があるため、費用が大きく、そして工期も長くなるという欠点があります。

このように、張替えや塗り替えでは、費用や工期はかかるものの、住宅の外観や耐震性能、断熱性能など本格的な外観リフォームを行うことができます。

以上のとおり、外観リフォームの種類には外壁塗装と重ね張り、張替え(塗り壁)の3つがあります。

4. 主な外壁材

外壁リフォーム、特に張替え(塗り壁)では、新たに使用する外壁材を決めなければなりません。

住宅の主な外壁材は、サイディングとモルタル、タイル、土壁の4種類です。以下ではこれら4種類の外壁材について、詳しく説明します。

4-1. サイディング

主な外壁材の1つ目は、サイディングです。サイディングとは、セメント質と繊維質を主な原料とした板状の外壁材です。サイディングは豊富や色や柄から選ぶことができ、軽量で材料費も安いという特徴から、もっとも主流の外壁材です。

一方で継ぎ目(シーリング材)の劣化が目立ったり、吸水性があるため塗装により雨を防ぐ必要があったりするという欠点があります。

サイディングは、住宅の骨格に合わせて張り付け、シーリング材を使ってつないでいきます。シーリング材とは、サイディングの隙間を埋める材料のことです。

シーリング材により雨水などが壁の中に入ることを防ぎます。ただ、シーリング材は劣化が早いので、定期的な補修が必要です。

このように、サイディングは豊富なデザインと価格の低さ、工期の短さから、もっとも主流の外壁材です。

4-2. モルタル

主な外壁材の2つ目は、モルタルです。モルタルは、セメントと砂、混和材に水を加えて練った外壁材です。表面をシリンやスタッコ、吹付けタイルなどで仕上げているため、同じモルタルの外壁であっても外観が異なります。

モルタルは耐火性が高いため、サイディングが出回る前までは主流の外壁材でした。ほかにも、モルタルはサイディングのような継ぎ目がないため定期的な補修の頻度が少なかったり、和風・洋風どちらも住宅にも相性がよいという特徴があります。

一方で職人による手作業であるため、外観や耐久性は職人の技術で大きく左右されたり、乾燥させるのに時間がかかることから工期が長くなったりするという欠点があります。また、工事費もサイディングとくらべると高くなります。

そして、表面に模様を作ることができるものの、サイディングの豊富なデザインとくらべると見劣りします。
なお、モルタルは定期的な修繕や点検が不要と言われることがありますが、これは間違いです。モルタルは劣化すると割れたりヒビが入ったりします。また、耐久性が職人の技術や気候で大きく異なることから、劣化がないかを定期的に点検する必要があります。

このように、モルタルは耐火性にすぐれた外壁材である反面、費用と工期、デザイン性ではサイディングに劣る外壁材です。また、耐久性も職人の技術によって大きく左右されます。

4-3. タイル

主な外壁材の3つ目は、タイルです。タイルは耐久性がとても高いという特徴があります。紫外線や雨でも劣化や変色することがほとんどありません。また、火や熱、寒さ、傷に強い上、汚れにくく汚れたとしても手入れが簡単だとという多くの利点があります。

そして色や形も豊富であることに加え、タイル独特の高級感や威圧感を醸し出すことができます。このように外壁材として非常に優れているタイルですが、材料費と工事費が高いことが欠点です。

また、タイルそのものは耐久性が非常に高いものの、タイルの継ぎ目は定期的な点検や補修が必要となることにも注意が必要です。

以上のとおり、タイルは外壁材としてもっとも優れた耐久性と独特のデザイン性がある反面、費用と工期がかかってしまう外壁材です。

4-4. 土壁

主な外壁材の4つ目は、土壁です。土壁とは、竹を格子状にに組み、粘土のような性質を持った土を塗り重ねて作った壁のことです。

昭和初期までは日本の住宅は大半が土壁でした。しかし、現在出回っている外壁材とくらべると耐久性が非常に低い上、材料となる土や対応できる職人を見つけることが難しいのが現状です。

そのため、これからのリフォームで外壁材として土壁を検討することは、あまり現実的ではありません。もし土壁を使用するとすれば、古民家の既存の土壁を残す必要があったり、強いこだわりがあったりする場合に限られます。

以上のとおり、外壁材の主なものには、サイディング、モルタル、タイル、土壁があります。ただし、土壁は古民家で使用されている外壁で、機能もほかの外壁材よりも劣っています。そのため、既存の住宅の外壁を土壁にリフォームするのは、現実的ではありません。

5. まとめ

こちらでは、外壁リフォームを行うべき時期と種類、主な外壁材について説明致しました。

外壁リフォームをすべき時期は、サイディングなら塗料の対応年数切れや色あせ、モルタルだとヒビが生じたときが目安となります。

外壁は風雨や直射日光に常にさらされ、劣化が激しいため、定期的なリフォームで住宅の寿命を大きく伸ばすことができます。ですから、こまめに点検やリフォームを行うようにしましょう。

外壁リフォームの種類は、サイディングの外壁塗装、既存の壁にサイディングを重ね張り、既存の外壁を撤去してサイディングやタイルに張り替えたり、モルタルを塗ったりする方法があります。

10年などの間隔で外壁塗装などを行うことにより、外壁材を長持ちさせることができます。その結果、重ね張りや張替え、塗り壁のような大規模な外壁リフォームを行う時期を遅らせることができるのです。

また、長期的に見れば住宅の維持費を抑えることができます。