土地活用の流れ|失敗しないための5つの手順

使われていない土地の増加に伴い、空いた土地を有効的に活用する土地活用が求められています。

現在日本では、人口の減少や高齢化の影響により、地方に限らず都市部でも使われていない土地の増加が問題になっています。このような土地は、使わないまま放置しておけば税金を納めるだけのマイナス資産になりますが、うまく活用していけば利益を生み出すプラス資産になります。

今回はこの土地活用について、ゼロから始める土地活用の流れと題し、パートナー選びや活用方法の検討など基本的な流れをまとめました。土地活用を始めてみたいという人、興味はあるけれど詳しいことは分からないという人は、ここで土地活用の基本的な流れを確認していきましょう。

土地活用の流れ①パートナー選び

土地活用を始める上で、まず必要になるのがパートナー選びです。戸建てやマンションなどの賃貸経営、駐車場や貸店舗、太陽光発電など、土地の活用方法はたくさんありますが、どの方法を選ぶとしても、パートナー選びは避けては通れないステップであり、非常に重要な選択になります。

パートナーが違えば提案される活用方法も異なります。それに伴い、活用開始後の収益にも差が出てくる可能性があります。たくさんの手間と時間とお金をかけて行う土地活用ですから、できるだけ有効に活用できる方法を提案してくれるパートナーを選ばなければなりません。

パートナーに頼らず1人で進めていくことも不可能ではありませんが、現実的ではありません。土地活用では、プランニングや設計、業者の選定や依頼、活用開始後の経営管理、その他の細かな事務作業など、たくさんの業務をこなす必要があります。専門的な知識はもちろん、かなりの時間も必要になるので、経験豊富な方でも1人で進めていくのは非常に大変です。

そこで、土地活用のアドバイスや活用開始後のサポートをしてくれるパートナーの存在が必要になります。最適なアドバイスをくれることはもちろん、自分の財産を任せることになるので、信頼できるパートナーを見つけなければなりません。また、1度契約しまうと簡単には契約解除できないこともあるので、長い付き合いができる相手なのか、はじめの段階でしっかり見極める必要があります。

土地活用を扱う業者

土地活用の場合、パートナーとなる業者はいくつか候補があり、業種も様々です。

最もイメージしやすいのが、不動産会社や建設会社でしょう。この2つ以外にも、ファイナンシャルプランナー、土地活用プランナー、金融機関などがあります。このような業者は、それぞれの立場から土地活用を勧めてきたり、土地活用の相談に乗ってくれたりします。

パートナー選びでは、活用方法から選ぶこともできますし、資産運用など自分の気になるポイントから選ぶこともできます。最終的には、ここで挙げたような様々な業者の協力を得ながら進めていくことになりますが、最初のパートナー選びは、活用方法の決定を左右するので特に重要になります。

・不動産会社

不動産会社であれば、賃貸経営などを考えている場合、活用開始後の仲介や管理業務についても任せることができます。その地域の情報やニーズにも詳しいので、良いアドバイスをもらえるでしょう。

一方で、建物ありきの話になることも多く、賃貸経営以外の選択肢も考えてほしいという人には向いていません。ただし、売却も視野に入れている場合には、不動産会社への相談は必須です。

不動産会社選びに失敗しないためには「不動産会社を選ぶ時の考慮すべきポイントとは?」こちらが参考になりますのでご確認ください。

・建設会社

建設会社は主に、アパートやマンション、一戸建てなどによる土地活用を扱っています。中には、太陽光発電を扱っているところもあります。設計や建設に関してはプロなので、安心して任せることができるでしょう。

一方で、活用開始後の運用に関しては、対応してくれないところもあります。また、建物を建設しない活用方法については、はじめから検討していない場合があるので注意が必要です。

・ファイナンシャルプランナーや土地活用プランナー

ファイナンシャルプランナーは、資産運用という幅広い視点から土地活用のアドバイスをしてくれます。土地活用以外の選択肢についても検討してくれる点が特徴です。土地活用プランナーとは、土地活用の専門家で、プランニングから活用開始後の運用管理計画、資金準備や建設関係まで、幅広くサポートしてくれる人です。

幅広く話を聞いてみたいという人はファイナンシャルプランナーに、どのように活用するか迷っているという人は土地活用プランナーに相談してみると良いでしょう。

実際に活用を始めることになると、活用方法に応じて、建設会社や不動産会社などを利用することになります。ファイナンシャルプランナーや土地活用プランナーから紹介してもらうこともできますが、提携している業者がいれば、その業者以外選択できない可能性もあります。

・金融機関

銀行などの金融機関でも、土地活用を勧めているところがあります。基本的に金融機関は融資やローンの契約がメインになるので、土地活用そのもののノウハウや対応の良し悪しについては様々です。力を入れている金融機関であれば、専門の相談員がいて相談にのってくれるところもあります。

ただし、ファイナンシャルプランナーや土地活用プランナーと同様に、建設会社や不動産会社の選定に関しては、自由度が低いところもあります。

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土地活用の流れ②土地診断

土地活用を成功させるためには、その土地にあった活用方法を検討する必要があります。業者選びを進めながら、自分でもどのような活用方法が良いか考えていきましょう。

土地には、立地条件や広さのような特性があり、その特性によって最適な活用方法が異なります。また、同じ活用方法でも地方や都市部など地域の違いによって、運用の効率や需要の有無、それに伴う収益にも違いが出てきます。

このような立地特性や市場の動向を把握しておくことが、その土地にあった活用方法を考える上では欠かせません。実際に自分の土地について調べるためには、不動産会社や建設会社、土地に関する調査や診断を行う専門業者などによる土地診断を利用すると良いでしょう。

パートナーを選ぶ段階であれば、簡単なプラン作成のために、業者が自主的に簡易的な土地診断を行ってくれることがあります。一部の業者では料金がかかる場合もありますが、様々な業者の診断結果を見ることで、自分の土地について理解を深めることができます。このとき、診断結果を誤魔化し、自分たちのプランを良く見せようとする業者もいるので注意が必要です。

このような業者に騙されないためには、あらかじめ自分自身で調べておくことも重要です。たとえ専門家の診断であっても鵜吞みにすることなく、ある程度の知識を持っておくことで、診断結果に対する見方も変わりますし、後の業者選びやプラン選択の際にも役に立ちます。

土地の立地特性の把握と検討

活用方法を大きく左右する要素が立地特性です。その土地の立地特性をしっかりと把握し、どのように活用していくべきかを検討していきましょう。ここからは、一般的な立地特性とそれに応じた活用方法の選択肢をみていきます。

駅周辺の土地は、交通の便が良く利便性が高いという点が最大の特徴です。賃貸住宅やオフィス用物件、店舗、ホテルなど、幅広い活用方法が考えられます。駅を利用する人のための駐車場や駐輪場として利用することも可能です。

住宅街やその周辺の土地は、生活しやすい環境が整っていることが多いので、アパートや一戸建てを用いた賃貸物件として活用できます。広さがあれば、高齢者施設のような福祉施設やコンビニエンスストアのような貸店舗にして利用することも可能です。

都市部へのアクセスが良い場所や高速道路のインターチェンジ付近などは、物や人の移動の拠点になるので、トランクルームや大型の倉庫としての利用も考えられます。工場が集まっている地域や大学などが多い地域などであれば、そこへ通勤・通学する人に向けた社宅や寮、賃貸物件として活用する選択肢もあります。

このように、土地の立地特性を最大限活かすことができる活用方法を見つけていきましょう。立地特性を活かすことで、より有効的にその土地を活用することができます。

なお、ここで確認したものはあくまでも一般的な特性と、それに応じた活用方法の選択肢になります。この他にも、接している道路の交通量や道幅、周辺の施設、傾斜の状況など、立地特性となる要素はたくさんあります。これらをひとつひとつ丁寧に確認していくことで、より最適な選択肢を見つけることができるようになります。

その土地の近隣の市場調査

活用方法を検討するとき、立地特性の把握と同様に重要になるポイントが市場調査です。その土地の近隣を中心に、どのようなことに需要があるのか、どのような事業が成功しているのかを調査してみましょう。

市場調査の基本となるのが人口や世帯数、年齢層などの調査です。現在どのような人が生活しているのかを把握し、今後どのようになっていくかを予想します。賃貸経営であれば、ファミリー向けにするか単身者向けにするかの判断材料になりますし、貸店舗や駐車場などであれば、需要が見込めるかどうかの予測ができます。

また、その土地の周辺が、どのように利用されているかもみてみましょう。検討している活用方法と同じような利用が多ければ、一定の需要があることは確かでも、活用開始後は競合相手が多いことになります。賃貸経営や駐車場などを検討しているのであれば、料金の相場や利用状況なども確認してみると良いでしょう。

土地活用の流れ③事業計画書の作成

どのように活用していきたいかある程度希望がまとまったら、いくつかの業者へ相談に行き、プロの目線から見た活用方法の提案をもらいましょう。提案書をもらったら、ひとつずつ丁寧に説明してもらい、疑問に思った点はその場で質問するようにします。

提案内容を確認する際のポイントとしては、その土地にあった事業計画になっているか、収益や税務効果の予測ができているかの2点です。また、相談時に出た自分自身の希望が反映されているかも考慮しながら見ていきましょう。

その土地にあった事業計画

第一に、その土地にあった事業が計画されているかを確認しましょう。立地特性をある程度把握できていれば、業者からの説明も理解しやすくなります。提案の根拠として、きちんとしたデータが用意されているかどうかは、業者の質を判断するひとつの材料になります。

建物の建設が必要な場合には、法律により制限が設けられていることがあるので、法律の内容及び法律に適したものになっているのかを質問してみるとよいでしょう。

収益や税務効果の予測

提案書の中で最も重要な部分といっても過言ではないのが、収益や税金など資金収支に関する項目です。

収益の予測に関しては特に丁寧に説明してもらいましょう。最終的な金額だけではなく、維持や管理にかかるコストが計上されているのか、無理な条件での予測になっていないかなど、予測の過程段階にも注目してください。

税金に関しては、現状との比較が適切に行われているかを確認します。納税額については、変化していくこともあるので、注意が必要です。

資金収支に関する項目については、その内容はもちろんのとこ、将来的に起こりうるリスクについて、どのように考えられているかを把握することも重要です。大きな資産を動かす以上、リスクにも目を向けておかなければなりません。
確かに収益が多い活用方法の方が魅力的ではありますが、業者によっては収益が多くなるように見せかけている可能性もあります。資金収支の説明を受けたら、必ずリスクについても質問し、リスクへの対策の有無やそれに伴う収支の変化なども確認しましょう。

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土地活用の流れ④業者と契約

活用方法の提案の比較が終われば、最も良い提案をしてくれた業者と契約を結ぶことになります。提案内容の比較については、すでに確認したように、事業計画や収支の予測などを見て判断しましょう。

特に、リスクに対する考え方や対応については、業者と意見を合わせておくべきです。この点に関して納得できないまま契約してしまうと、万が一何かが起きたとき、業者とのトラブルに発展する可能性もあります。長期にわたる事業なので、リスクを完全になくすことは難しいですが、できるだけリスクの少ない方法で、自分が納得できるものを提案してくれた業者と契約しましょう。

提案内容について第三者からのアドバイスが必要であれば、ファイナンシャルプランナーや土地活用プランナーなどに相談することもできます。建設会社や不動産会社などに依頼している場合は、違った角度からの意見ももらうことで、視野を広げることも可能です。また、業者からの提案に不審な点がある場合にも有効です。相談料は必要になりますが、プロからのアドバイスをもらうことで、業者選びの参考になります。

最終的な決定をする際には、自分が納得している活用方法かどうか、信頼できるパートナーかどうかが最も重要です。もちろん提案内容も大事ですが、どんなに良い方法でも自分で納得できていなければ良い土地活用とは言えないでしょう。

また、長く付き合っていく上で、信頼関係も欠かせません。すでに不信感を抱いている業者を相手に、その後長い間大切な資産を一緒に管理していくことは難しいでしょう。契約という初期の段階だからこそ、気になっていることがあれば、できるだけ早く解決しておきましょう。

土地活用の流れ⑤経営サポート

活用開始後の保証や経営のサポートについても、事前に確認しておくと良いでしょう。

賃貸経営であれば、活用開始後、入居者の募集や管理、共有部の定期清掃などが必要になってきます。不動産会社を利用していれば、そのまま管理を引き受けてくれるところも多いですが、建設会社などであれば管理は別の不動産会社へ委託していることもあります。そうなると、長い付き合いになるのは管理を行う不動産会社になるので、どのような会社が管理してくれるのか事前に知っておく必要があります。

また、空室や滞納などのリスクに備え、サブリースという一括借り上げのシステムを導入しているところもあります。サブリースを利用すると、業者が物件を一括で借り上げてくれるので確実に賃料を得ることはできますが、初期の賃料での借り上げが長期間保証されている訳ではないので注意が必要です。このようなサービスについては、契約する業者を選ぶ際の判断材料にもなります。

駐車場や倉庫などで活用する場合も、既存の企業の系列店として運営するフランチャイズ制度や、賃貸経営のような一括借り上げシステムなどが設けられています。太陽光発電による活用であれば、定期点検やメンテナンスに関するサポートがあります。

このように、活用方法に応じて、活用開始後の経営をサポートしてくれるサービスも用意されています。提案内容を比較し業者を選ぶ際にはもちろん、活用方法を検討する際にも、このようなサポートについて調べてみましょう。

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2017.05.08

まとめ

資産を有効に使いたい、使っていない土地がある、土地活用に興味があるなど、土地活用を検討するきっかけは人それぞれです。専門的な知識が必要であり、大きな資産を動かすことへの不安もあるため、始めることをためらっている人はたくさんいます。

少しでも興味がある、土地活用を考えておきたいという人は、まず、調べてみることから始めていきましょう。土地活用の方法業者の種類や選び方立地特性や全国的な市場の動向税金に関する知識、活用に伴うリスクなど、知っておくべきことはたくさんあります。時間をかけてたくさんの知識を持っておけば、土地活用を始めるときに必ず役に立ちます。

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土地活用は相続対策に適していると言われていますが、実はそれ以上に「黒字経営」させることが重要です。

収益性を考えた時に重要になる、

・投資分析の視点
・市場分析の視点
・ファイナンスの視点
・財産継承の視点
・タックスプランニングの視点

という5つの視点の解説など、ブログでは公開できない土地活用のコツをお伝えいたします。